Google Earth/Maps の利用許諾について:サイトにキャプチャを埋め込む
Google EarthやGoogle Mapsは、Google社が保有していない地理情報を外部から許諾を得て配信している(たとえは日本ではゼンリンとか)関係上、Googleが提供するコンテンツのなかでも、利用許諾が厳しい。
Google MapsとGoogle Earthの利用許諾はこのページに載っている。
個人的には、それでもネットユーザが情報を発信しやすいように設計されているんじゃないかな…と思ったけど権利関係だとかWeb APIだとかについては疎いので、その道の人からすると違って見えるのかもしれない。
さて、
以前このブログで「Google Earthの「バルーン」機能でYoutubeを再生する方法
」という記事を書いたけども、この記事のなかでGoogle Earthのスクリーンキャプチャを多用していた。
別用で先述の利用許諾ガイドラインを読んでいたときに、ちょっと気になる箇所をみつけた。
スクリーンショット/サイト内での使用: Google マップ、Google Earth、ストリートビューなどからの対象コンテンツをご自分のウェブサイトで使用する場合、スクリーンショットをアップロードするのではなく、サイト内に対象コンテンツを埋め込むようにしてください。サイト内に対象コンテンツを埋め込むと、対象コンテンツが Google のサーバーから直接読み込まれ、適切な権利帰属表示が自動的に付加されます。コンテンツの埋め込み、Google の API などについて詳しくは、Google マップをウェブページに追加する(英語)をご覧ください。またマイマップを使用してこれを埋め込んで、地図にマーカー、線、その他のコメントを追加することもできます。埋め込んで使用する場合には、サービスの利用規約に従うだけでよく、使用許諾を受ける必要はありません(例外として、製品に関するチュートリアルやニュース記事などで製品の使用方法をデモンストレーションする場合で、コンテンツを埋め込むことができないときは、適切な権利帰属表示を付けたスクリーンショットを使用することができます)。(http://www.google.co.jp/permissions/geoguidelines.html)
要するに、こういったブログでGoogle EarthやMapsのコンテンツを表示するときには、地図表示された内容をキャプチャして貼り付けるのではなく、Google MapsやEarthを表示するコードを埋め込んで下さいね、ということらしい。
ところがこれだと、先述の記事で載せたようなキャプチャ画像はNGということになる。
とは言え、いわゆるTipsのような記事を書こうと思ったら、キャプチャ画像を使えないと苦しい。ここをクリックしてくださいよーだとか、そういった指示を画像中に埋め込まないことにはなんのTipsにもならないからだ。
しかしそこはさすがのGoogle先生、きちんと例外規程を作ってくれていた。
例外として、製品に関するチュートリアルやニュース記事などで製品の使用方法をデモンストレーションする場合で、コンテンツを埋め込むことができないときは、適切な権利帰属表示を付けたスクリーンショットを使用することができます。(http://www.google.co.jp/permissions/geoguidelines.html)
このおかげで私たちは堂々とGoogle Earthnの使いこなし方を広めていくことができるわけだ。サンキューGoogle。
とはいえ、Googleももちろん、先述の記事の例でいえばDigitalGlobe社のように、キャプチャしたデータは複数の企業に権利が帰属しているコンテンツにあたる。
同上の利用許諾ガイドラインでも、Googleと供給業者への権利帰属表示はぜったい載せろよ、と明言されている。
前回の例で言えば
こいつが「権利帰属表示」である。この「© 2014 DigitalGlobe」を「平均的な閲覧者や読者が判読できる」状態で記載することが必要なんだそうだ。
先に埋め込んだGoogleMapsでも、よく見ると自動で下部に権利帰属表示が表示されている。
最後にお断り。
この記事を参考にしていただくのはとても幸いですが、Googleがユーザーに課している利用許諾をすべて理解しているわけではありません。きっと私のこの記事にも理解不足の箇所、あるいは嘘が含まれていることでしょう。
ご自身でGoogle Maps やGoogle Earthを二次利用する場合は、自分自身で利用許諾をよく読み込むことも大事なんじゃないかな…と思います。
Google Earthの「バルーン」機能でYoutubeを再生する方法
Google Earth では、点や線、面といったさまざまな地理情報をデジタル地球儀上に作成出来ますが、「点」のデータには「目印(英語版では”placemark”)」という名称がつけられています。
この「目印」ですが、さまざまな情報を付与することができるため、Google Earth の表現の幅を大きく広げています。
その典型的なものが「バルーン」。
画像のように、吹き出しの中に画像や文章を表示させることができる、というものです。
この画像や文章は、
①左側のコンテンツバーから該当の「目印」データを右クリックし、「プロパティをクリック」
②表示される編集ウインドウに書き込む
という手順で編集できるのですが、
実はこの「説明文」、HTMLに対応しています。
HTMLだけじゃなくJava Scriptなどにも対応しています。
つまり、
ホームページのようなレイアウトを再現することができる
わけです。
レイアウトだけではなく、ホームページ用に埋め込むことのできるコンテンツなら意外となんでも埋め込めてしまいます。
そこで本題。
Youtubeの動画は埋め込めるか?
もちろん「イエス」です。
さっそくやってみましょう。
今回はこの動画を埋め込みます
Youtubeの再生ページを見ると、再生画面の下部に「共有」と書かれています。
ここをクリックしてください。
すると「埋め込みコード」という表示がありますので、ここをクリック。
そうしたら、下のような画面になるはずです。
ここに表示されている「HTML」のコードをコピー。
そしてさきほどのGoogle Earth の説明文編集画面に貼り付けます。
ここで注意。このコードをよく見ると、動画のURLが "//www.youtube.com..." から始まっています。 "http:" が省略されているんです。
この理由はちゃんとしたものがあるんですが僕が説明できないので割愛します。
(誤解を恐れずに説明を試みます。
ホームページのURLには「http」から始まるものと「https」からはじまるものがあります。この「https」から始まるホームページは「SSL」という仕組みで守られているのですが、上記のように「//www.youtube...」というURLにするのは、このSSLで守られたサイトからも、そうでないサイトからもアクセスできるような工夫なんだそうです。
一方でGoogle Earthは、ブラウザとしてはあまり一般的なものではありません。それゆえこのような表記に対応していなかった、ということなのだと思います。)
とにかく、"http://"から始まるURLを埋め込まないと、Google Earth 上では動作しません。
というわけで "http:" をきちんと補ってコードを貼り付けたら、「OK」を押します。
ここまで出来ていたら、下の画像のように、バルーン表示の中でYoutubeの動画が再生されているはずです。
Youtubeだけでなく、Vimeoなど、ほかの動画投稿サイトの動画も埋め込むことができました。
スマートフォンで「ストリートビュー」を撮影する。
ArcGISで白地図を作る① 必要なデータをそろえる
この記事では、ArcGISを使った簡単な地図の書き方を紹介します。
ArcGISは様々な地図描画に対応しています。もちろん描画だけでなく、分析にも絶大な強みを発揮してくれるんですが。
なかなか、単なる白地図の描き方を解説してくれる記事をみたことがなかったので、なければ作っちゃえ!ということで。
長くなるかもしれませんので、何回かにわけてお送りします。
まずは完成品です。
南アジアを中心とする国々の
・国境線と海岸線
・首都の位置
・緯線・経線
が表示されている実にシンプルな地図です。
上の3つが表示されているということは、
この地図を作製するためは、
・国境線と海岸線のデータ
・首都の位置のデータ
・緯線・経線のデータ
が必要になるということになります。
このうち。経緯線はArcGISの機能で引けますので後回し。
残る二つのデータを入手します。
国境線と海岸線のデータ
インターネットには無償公開されているGISデータが豊富にありますが、ここではその一例を。
別の記事でもお世話になったノルウェー人エンジニアのBjørn Sandvikさんのホームページ「thematicmapping」から、各国の国境線と海岸線がまとめられた「SHPファイル」がダウンロードできます。
ダウンロードはこちらのページ。(真ん中あたりです。)→http://thematicmapping.org/downloads/world_borders.php
首都の位置のデータ
首都の座標は、ArcGISをはじめGISソフトウェアで扱いやすい形式にまとめてくださっているアマノ技研さんのファイルを使います。商用でも無料で配布してくださっています。
ダウンロードページはこちら
上記URLから「ダウンロードフォーム」をクリックし、アンケート項目に答えると首都の位置データが入力されたcsvファイルがダウンロードされます。
なお、都市をはじめとする「地点のデータ」は、緯度と経度さえ分かっていればExcelで簡単に作成されます。この時に便利なのがGoogle Mapsなのですが、その話はまた今度。
というわけで必要な材料がそろいました。手元のArcGISを起動しましょう。もちろんMANDARAでもQGISでもできるはずです。私は使えませんが…
続きは次回、私の仕事が終わってから。
ペイントでいじる! デジタル白地図の編集方法
デジタル白地図
最近、所属しているNPO法人のウェブメルマガに記事を寄稿しているんですが、
先日「デジタル白地図」というテーマの記事を書きました。
(NPO法人伊能社中 ウェブメルマガ vol.3 より)
http://iknowshachu.publishers.fm/article/4584/
海岸線と国境線だけが引かれたシンプルな地図です。
地名を書き込んだり、山脈を描き込んだり、円グラフを作って糊付けしたり…
教育現場でもよく使われます。
紙地図で作業するにしても楽なんですよね。海岸線をフリーハンドで引くのは大変です。
そんな白地図をペイントで(もちろん、PNG形式を編集できるソフトウェアであればなんでもかまいません)編集し、表示する方法を載せてあります。
記事では中央アジアのデータのみが配布されていますが、ほかの地域のデータも以下からダウンロードできますので、よければお使い下さい。
アフリカ
ヨーロッパ
ロシア
東アジア
南アジア
北アメリカ
ライセンスについて
これらの白地図は元データとしてBjørn Sandvikさんが作成したSHPファイルを用いています。こちらのサイトからダウンロードできます。
配布しているKMLファイルは、クリエイティブ・コモンズライセンス「表示3.0非移植」に従って配布します。
また記事中に掲載しているGoogle Earthのキャプチャ画像の著作権はGoogle社に帰属します。キャプチャ画像そのものの引用はご遠慮願います。
GISのデータを手に入れる便利サイト一覧(国内編)
全国9800万のGISファンのみなさんに捧げます。
GISのデータファイルを無料で(←これ大事)手に入れるサイト。
入手できるデータ、ファイル形式、筆者のレビューと共にお届けします。
環境省自然環境局 生物多様性保全センター
「緑の環境調査」植生図のデータをはじめとする環境省の調査結果
○KML形式 ○SHP形式
植生図がとにかく便利。
地質図の閲覧
△KML形式 ×SHP形式 ◎Web閲覧
web閲覧はこっち。
植生図同様地質図は何かと使う。土木、地球物理、地質、地理辺りを学ぶ方は覚えておいて損はないです。Webでの閲覧サービスも十分使いやすいけども、検索機能がない。
KMLファイルをダウンロードしてGoogle Earthで閲覧すると、検索した地点の地質が参照できる。
国土地理院 地理空間情報ライブラリ―
○KML形式 ×SHP形式 ◎Web閲覧
ご存じ「地理院地図」として地理院が提供する地図のKml版が手に入る。
標高図や、地形図学習に有用
本家地理院地図はhttp://portal.cyberjapan.jp/site/mapuse4
国土地理院「基盤地図情報」
×KML形式 ○SHP形式
同じ国土地理院提供のサービスでも、こちらはよりプロ向け。
いわゆる「地形図」のもとになるような「道路の境界線」「水域の境界線」などが提供されている。標高データも手に入る。要登録(無料)。
国土交通省国土政策局 国土数値情報ダウンロードサービス
行政区域や豪雪地帯、標高データなど
×KML形式 ○SHP形式
地図の閲覧、というよりも自分で地図を作製しようとするときの元データを入手する際に便利。
×KML形式 ○SHP形式
GIS、というよりも、SHP形式で提供されるGISデータに紐づけた統計データがSCVなどで提供されている。筆者は人文地理の専攻だったので人口統計は嫌ってほどダウンロードしました。
以上。
国外についてはまた機を改めてまとめますが、
世界銀行を初めてとする公的機関のほか、個人サイトでもいろいろと公開されています。
GIS界の異端児「Google Earth」
このブログできっと延々と登場し続けるであろうGIS「Google Earth」
世間では、GoogleMapsと混同されて「あの衛星写真のやつでしょ」ぐらいに思われている、Google Earth。
そのGoogle Earthの魅力(の触りの部分を)この記事ではまとめます。
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